• 2026年10月30日

新しい緑内障の治療薬「ロープレッサ」について

こんにちは。院長です。


目の中では「房水」という液体が循環し、眼圧が調節されています

今回は、2026年に国内で発売された新しい緑内障・高眼圧症の治療薬「ロープレッサ点眼液0.02%」(一般名:ネタルスジルメシル酸塩、参天製薬)についてご紹介します。

【「目の身長」としての眼圧】

緑内障は、目の中の圧力(眼圧)が高くなることで、視神経にダメージが起こり、視野が少しずつ狭くなっていく病気です。一度失われた視野は元に戻らないため、眼圧をしっかり下げて守り切ることが、緑内障治療の中心になります。

当院でも、皆さん一人ひとりの「目標眼圧」を決めて、点眼薬でコントロールしてこられています。

【房水の「出口」と「入口」の両方に働く新しいタイプの薬】

緑内障の点眼薬にはいくつかの種類がありますが、ロープレッサはこれまでの薬とは働き方の異なる新しい分類の薬です。

私たちの目の中では、房水と呼ばれる液体が作られて流れ出ることで、目の中の圧力が調節されています。ロープレッサは、

・房水の流れ出る出口(排出経路)を広げて、流れやすくする作用(Rhoキナーゼ阻害)
・房水が作られる量を抑える作用(ノルエピネフリントランスポーター阻害)

という、出口と入口の両方に働く点が特徴です。

【どんな方に使う薬か】

承認上の効能・効果は「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症」とされています。

つまり、今お使いの点眼薬だけでは眼圧が目標まで下がらない場合や、体質などで従来の薬を使いにくい場合に、次の選択肢として検討される薬です。使用頻度は1日1回、1滴の点眼で済みますので、今の生活リズムを大きく変えずに追加しやすい点もありがたいところです。

【使う際の注意点】

新しい薬には、新しい注意点もあります。主なものをお伝えします。

・結膜充血:白目が赤くなりやすい性質があります(臨床試験では半数以上に見られています)。見た目は気になるかもしれませんが、多くは安全性上の問題ではありません。ただし感染症など別の原因のこともあるため、定期的な検査で確認します。

・角膜への影響:長期使用で渦巻き角膜(角膜に渦巻き状の濁りが現れるもの)や角膜上皮浮腫が現れることがあります。「物が霞んで見える」「視力が下がった」と感じたら、早めにお知らせください。

・点眼後の一時的な霞み:点眼直後は一時的に物が霞むことがあります。車の運転や細かい作業は、目が慣れるまでお控えください。

・白内障や角膜の手術を予定されている方、角膜の状態に不安のある方には、あらかじめご相談のうえ使用を判断します。

【最後に】

緑内障の治療で何より大切なのは、ご自身に合った治療を、長く続けることです。ロープレッサは「今の治療だけでは十分でない」という悩みをお持ちの方にとって、新たな選択肢の一つとなる薬と考えています。

「最近、眼圧がうまく下がらない気がする」「目薬を変えたい」とお感じの方は、遠慮なくご相談ください。私たちも、皆さんの「目標眼圧」に届くよう、最適な治療を一緒に考えてまいります。

※本コラムは一般的な情報提供であり、実際の処方については診察のうえ、主治医にご相談ください。

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