ICL(眼内コンタクトレンズ)

ICL

はじめに

ICL(眼内コンタクトレンズ)

眼球内にコンタクトレンズをインプラントすることで
視力矯正を行います

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、虹彩の後面と水晶体の前面の間にレンズを固定する方法で、近視・乱視を治す方法です。強度の近視や乱視にも対応しています。LASIKが受けられない強度近視の方や角膜の薄い方にも有効な屈折矯正方法です。 ICLは2011年にCEマークを取得し、2014年に日本において薬事承認を得ています。

ICL(眼内コンタクトレンズ)について(健康保険適用外)

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、白内障のない方のために透明な水晶体を残したままで、近視・遠視・乱視を矯正するための眼内レンズです。 レーシックなどの角膜中央部にレーザーを照射する近視矯正手術では、矯正できる近視の度数に限界があり、角膜の厚みが薄い方は手術そのものが行えない場合があります。

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、眼の中にレンズを挿入する治療法のため、角膜の厚さや近視の度数と関係なく手術を行うことが可能です。

角膜の内側にレンズが入るため、ハードコンタクトレンズのように日常生活の中でずれてしまったり、汚れから曇ったり、装着の異物感などもまったくありません。

裸眼と同じように自然で快適な視界が実現できるうえ、レーシックなどのレーザー手術と異なり、加齢とともに老眼が生じた場合には眼内レンズを取り除いたり、再矯正したりすることも可能です。


ICL(眼内コンタクトレンズ)治療をお勧めする方

  • 強度の近視・遠視・乱視によりレーシック治療が難しい方
  • 角膜が薄く、レーザー治療に角膜厚が不足している方
  • 角膜の形状が不正でレーシックが不向きな方
  • 他、レーシック治療が不向きな方

ICLのメリット・デメリット

ICLの歴史はレーシックより長い

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、レーシックより以前からある治療法です 歴史が古い=安全性・将来的にも認められて研究され続けている手法といえます

ICL(眼内コンタクトレンズ)と聞くと馴染みが薄く、最新の手術というイメージがありますが、実は、ICLはレーシックより歴史が古く、最初のタイプのレンズは、1986年から使用されており、これまでに全世界で多くの実績があります。また日本では2003年に臨床試験が行われ、2010年には厚生労働省の認可が下りました。

初期のICL(眼内コンタクトレンズ)は、白内障や緑内障の術後合併症が問題でしたが、北里大学清水公也教授(現山王病院アイセンター長)が考案したホールICL(レンズの中央に0.36㎜の小さな房水の循環孔がある)によりこれらの合併症が危惧されなくなり、現在、ICLは「眼内永久コンタクトレンズ」という名前でも普及してきています。

ICLの術式

ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術では、角膜は削りません。水晶体のピント調節機能を残したまま、ICLと呼ばれる眼内レンズを虹彩と水晶体の間にインプラントする術式です。


先進的なホールICL

当院では、レンズの中央に小さな穴を空けた先進的なホールICL (※1)を採用

現在のホールICLが普及する以前のICLでは、眼球内の房水の流れを維持し眼圧の上昇を抑えるため、術前、もしくは術中に虹彩切開が必要でした。

当院では、『虹彩切開をせずに治療すること』『合併症のリスク軽減すること』を考慮し、レンズの中央に小さな穴が空いているICL(眼内コンタクトレンズ)を採用しています。房水の流れは良好に維持され、合併症のリスクや患者様の眼の負担が大幅に軽減されました。

(※1)2014年3月3日、厚生労働省承認 (医療機器承認番号:22600BZX000850D0)


ICL(眼内コンタクトレンズ)の注意点

  • レンズを発注し到着するまでに適応するレンズの度数によっては、少々のお時間がかかる場合がございます。
  • 両眼、同日手術が可能です。
  • ICL(眼内コンタクトレンズ)をされている方で、白内障手術をされる場合は、眼内コンタクトレンズを外してから白内障の手術を行います。

※手術をご希望の場合は、必ず適性検査を受けていただきます。検査結果により使用レンズ及び手術適応か判断いたします。※その他、詳細については、診療の際に医師からご説明いたします。

ICLの適応について

ICLのメリット/デメリット

レーシック術と比較検討していただきやすいように記載しました。

メリット

強度の近視や乱視、遠視にも対応。レーシック治療ができなかった角膜の薄い方でも対応できます。

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、幅広い度数に対応したレンズ(ICL)を眼球内にインプラントするため、強度の近視(最大-18Dまで)や乱視、遠視でもの矯正が可能です。 一方、レーシックは日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインで-10Dまでとされています。

高い矯正精度と長期の安定した視力を確保。レーシックの一部で見られる「近視の戻り」がありません。

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、ソフトコンタクトレンズと同等の高精度レンズです。また、視力の戻り現象もなく、長期間安定した質の高い視力が得られます。

切開創が小さく、術後の合併症や視覚障害の低減。レーシックに比べコントラストの感度が良好です。

外部からの衝撃に強くレンズが外れにくく、材質がHEMAとコラーゲンの共重合体素材「コラマー(Collamer)」であるため、紫外線カットの効果もあります。 また、手術時、角膜の切開幅は3㎜程度と小さく、虹彩の後ろにレンズを挿入するため、外観からはわかりません。ドライアイなどの術後合併症のリスクが極めて低い上、角膜表面の歪みによって起こるハロー(光のにじみ)、グレア(眩しさ)など、視覚障害もほぼ出現しません。

万が一の場合は、レンズの取り出しも可能。手術後の見え方に違和感がある場合は、レンズを取り除いて治療前の状態に戻せます。

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、特別な理由がない限り半永久的に使用可能です。ICLを取り出した場合、手術前の眼鏡やコンタクトレンズでの矯正に戻すこともできます。


デメリット

手術費用が高い

ICLは完全なオーダーメイドのため、他の矯正手術より費用は高くなります。また、ICL(眼内コンタクトレンズ)注文後の返品はお受けできません。

手術までに待機期間がある

発注したICLが到着次第、手術を行います。 早ければ検査翌週に手術が可能です。但し、ご用意するレンズの度数によっては2~3ヶ月お持ちいただく場合があります。

ハロー・グレア・光の輪

手術後、軽度のハローやグレアのほかに光の輪が見えることがあります。但し、この症状は術後1か月でほとんど気にならなくなります。

術前後のケアを行う必要

ICLは、眼の中にレンズを入れる内眼手術ですから術前後のケアが大切です。ICLでの感染症は約1/6,000件と言われごく稀ですが、術前後の点眼や注意事項は、必ず守ってください。

ICL手術の流れ(所要時間は両眼で約10分)

ICLの適応について

重要な安全情報

眼内コンタクトレンズ(有水晶体眼内レンズ)治療は、中等度から強度近視の矯正に適しています。適応は-6Dを超える近視とし、-15Dを超える強度近視には慎重に適応を検討することとなっています。患者様がこの範囲の近視であれば、治療により眼鏡やコンタクトレンズ無しでの良好な遠方視力に矯正されます。なお眼内コンタクトレンズ治療は、遠方の見え方を矯正するものであり、老眼を治療するものではありません。老眼鏡を既に使用していた方、又は潜在的に老眼だった方は、近くを見るのに老眼鏡が必要になります。

眼内コンタクトレンズ治療は手術療法です。

手術には潜在的なリスクが伴います。リスクの詳細については、デメリットにも記載していますが、受診の際に、患者様の体質や症状に沿った詳しい説明をいたします。非常に稀な事例ですが、炎症や角膜内皮減少、高眼圧、白内障などの合併症が起こった場合は追加の手術処置が必要になることがあります。

下記に該当する場合は眼内コンタクトレンズ治療を受けられません。

  • 医師が眼の形状が眼内コンタクトレンズの移植に適当でないと判断した場合
  • 妊娠中、あるいは授乳期間の女性
  • 角膜内皮数が年齢に対する基準値を下回ると医師が判断した場合
  • 視力が不安定であると医師が判断した場合

眼内コンタクトレンズ治療を受けるには、十分な検査を受け、治療の潜在的なメリットやデメリット、合併症、術後の回復期間等について説明を受け疑問点を相談して下さい。


ICL(眼内コンタクトレンズ)の生体への影響

永久使用のレンズを挿入するため、長期にわたる実証が必要です。生体への安全性を第一に考えた治療法の一つといえます。ホールICLでは、生体適合性に優れた親水性の新素材 Collamer®(コラマー)を採用しており、このレンズは、1997年から欧州で発売を開始し、全世界で多数の手術がされています。初めてインプラントされてから14年以上の実績があるのです。


レンズ形状

レンズの形状は以下の様に変遷をしています

V1 プロトタイプモデルICL(1990)
V2 ポジショニングマーク追加(1994)
V3 光学部経の変化(1996)
V4 vaultの変化、新しい光学部形状(1990)
V4C ホールICLが欧州CEマークを取得(2011年)
V5(EVO+) 光学部径の更なる拡大(2016年)

※2:光学特性:反射防止層 レンズ表面から中心にかけて屈折率がなだらかに変化することにより、飛躍的にグレアを低減させます。コラマーは親水性素材なので、他の素材と比べて反射や術後高次収差が少ないレンズです。
※3:新素材:コラマー 含有するコラーゲンによりレンズ自体がマイナス電荷を帯び、タンパク質などのマイナス荷電粒子を反発し寄せ付けにくくします。コラマーは優れたQOVと整体適合性を提供し、眼内での長期安定性をもたらします。

ICLを挿入した時の見え方

角膜を削ることなく、眼内のレンズで近視を矯正するため、術後の見え方を左右する“収差”が増えません。そのクリアで色鮮やかな見え方は、レーシック治療とは異なるハイビジョンのような奥行きや立体感を実感することができます。

ICLをインプラントした場合

ICLをインプラントした場合(イメージです)

レ―シックなど、角膜を削り収差が増えた場合

レ―シックなど、角膜を削り収差が増えた場合(イメージです)